Food For Thought 食餌について考える By Kathy Partrige |
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| 第3部 完璧なドッグフードを探す 私が通った道 1979年に、私は初めてのゴールデンのパピーを買いました。多くの初心者オーナーと同じく、私もその犬をバックヤードブリーダーから求めました。血統書が付いていただけで、他には何もなく、何を食べさせるかを決めるということからはじめなくてはいけませんでした。私はスーパーマーケットに行って、棚から棚へずらりと並んだドッグフードに面くらいました。そして私なりに賢明な選択をしました。つまり名前を聞きなれているブランドのフードを買いました。ピュリナのパピーチャウです。 それから時が過ぎ、私はオビディエンストレーニングをするようになり、そしてドッグショー(訳注:アメリカでは、多くのドッグショー会場でコンフォメーションとオビディエンス競技の両方が行なわれる)にも行くようになりました。そして犬の食餌の世界にはまだまだ私が知らないものがあることを知りました。「ユカヌバ」の営業マン(イゥ・キャン・ウバ??ユー・アン・ユーバ??どう発音するかさえわかりませんでした)が「pour in a dish and stand aside」(皿に盛って、横で見守っていてください)というパンフレットを配っていました。「ベンチ&フィールド」の営業マンは、鼓張症を防ぐというフードの粒を水の中に入れて沈殿させた瓶を見せていました。(「見てください。このフードは水の中でも膨張しません。崩れるのです。」と)鼓張症?それって何?私は知りませんでしたが、皆が、それを防ぎたいなら大豆を使ったフードはやめたほうがいい、と言ってました。カラフルなパンフレットと、小さい牛乳パックのような入れ物にはいった試供品を配っている人達がいたるところにいました。なんて面白いのでしょう!でもなんて複雑なんでしょう!私の犬にはいったいどれがベストなんでしょう?? それから私の「ドッグフード放浪の旅」がはじまりました。多くの人もそうであるように、私は何年もの間、あるブランドを試してみて、そしてまた別のブランドに変えるということをしていました。なぜでしょう?振り返ってみると、どのフードをやっているときも、自分は本当に最善のことをしてあげれていないのではないという漠然とした思いを絶えずもっていました。あるブランドのフードはある別のブランドのフードよりは良いかもしれませんが。犬友達がフードを変えたというと私も真似をしたものです。みんな、今度のフードはとってもいいと言うのですから。しかし私ほど頻繁にフードを変えた人はいませんでした。私は時々、そこの犬達が高く評価されている「有名ブリーダー」にどんなフードをあげているのか尋ねました。それは理にかなったことでしょう?だって彼らの犬はショーリンクで活躍しているわけですから、フードがその成功になんらかの関わりを持っていることは間違いありません。しかし私はすべての「トップドッグ」がそれぞれ違うフードを食べていることを知りました!どれがベストなんでしょう?? そのうちに私はサプルメントという素晴らしい世界を見つけました。ひょっとしたらここに答えがあるのかもしれません。結局は、多くの「有名ブリーダー」はそれらを使っているようでしたし、それらの製品の広告上でその効果を保証しているブリーダー達もいました。それで私はあらゆる種類のものを試しはじめました。しかし再び、私は決して満足することができませんでしたし、いつも、もっと他に完璧な組み合わせがあるのではないか、と考えていました。私は一つのサプルメントを1年間使い、それから別のものを18ヶ月使い、結局やめました。 それから1980年代半ばのある日、一人の友人がウエンディ・ヴォルハードの「Back to Basics」(基本に戻る)ダイエットというボロボロになった古い本をくれました。初版本でした。なんてユニークなんでしょう!犬に加工していない食べ物をそのままあげれるのです!そんなこと考えたこともありませんでした。私はこの考え方にすぐに引きつけられました。しかしいろいろと計算してみると、この食餌は裕福な人のためのものだという結論に達しました。スーパーマーケットの小売価格でたくさんの肉を買わなくてはいけないのですから! それで私は市販のフードに戻りました。しかしサイは投げられてしまったのです。私は手作り食のことを忘れることができませんでした。それでもその後10年ほどは市販フードを続けていました。いつしか私は、自分が求めている自分の犬のための食餌について絶えず考え込むようになっていることに気がつきました。つまり、とても理にかなっていて、完璧で、とても健康的な食餌です。しかしもちろん、私はそれを見わける方法も知りませんでしたし、そのような食餌を与えたこともありませんでした。私は手作り食をはじめた人を一人しか知りませんでした。その友人は、愛犬の牝のシェルティにウエンディ・ヴォルハードのダイエットに、消化酵素剤を足して(これは不適切です)与えていました。彼女はその結果に非常に喜んでいましたが、しかしとても費用がかかり、多くの手間もかかるために、やがてその犬がショー行くためにハンドラーのところにいる時間が多くなるにつれ、彼女は市販のフードに戻していきました。 私を「完璧な食餌探し」に駆り立てていたものは、私の犬達がずっと何らかの健康上の問題を持っていたという事実です。大きな問題や、とても悩まされる問題はなかったですし(私は股関節形成不全の不運に直面することはなかったようです)、常時というわけでもなかったですが、しかししょっちゅう気になることがありました。これらの問題は与えるフードによって変わりましたし、季節によっても変わりました、しかし何を与えても、一時的に良くなりはじめ、そしてまただんだんと悪化するようでした。ひどくなると、私はまたフードを変え、そしてまた同じことの繰り返し、という具合でした。改善され、そしてまたその問題が再びぶりかえしてくるのです。(注1)皮膚のトラブルがもっとも頻繁に生じた悩みの種でした。その中でも夏の時期のホットスポットが一番でした。私の犬の1頭は、後足に舐性の炎症(肢の先端の舐性皮膚炎)を生じさせていましたが、それはどんなことをしても治ることはありませんでした。また、私は犬達のコートの状態に満足したことは一度もありませんでした。何度検便しても陰性でしたが、それでも私の犬達はいつも、とくに換毛期の後は、お腹に寄生虫が いるかのように見えました。駆虫剤をやってみても何の助けにもなりませんでしたが。便の状態はいつも一定していないようでした。しばらく調子が良いかと思うと、突然柔らかくて形にならないような便になったりしました。朝は良い便をしても、その日の後刻にはだんだんと悪くなるということもありました。緑灰色や黄橙灰色といった変わった色の便をすることも時々ありました。胃にガスがたまってげっぷをすることもしょっちゅうでした。周期的な下痢もありましたが、これはいつもコロナウイルスによるものと片付けられていました。先ほども述べましたように、これらの問題の程度は、与えているフードによって様々でしたが、良くなったり悪くなったりするものですから、一般的にゴールデンに典型的なものとして受け入れられているようでした。私の犬達の主治医はいつも私の犬達は健康ですと告げました。でも私はそう思えませんでした。本当に正常だったのでしょうか? ついに、1992年に(私が「啓示」と呼んでいる)画期的なことが起こりました。私は、常々カナダ&バミューダチャンピオンのMjaerumhogda's Kyon Flying Suprise (訳注:ノルウエーからカナダに輸出され、カナダやアメリカで使われた種牡。マーシャ・シュレアー著「ゴールデンレトリバー」204ページ参照)という犬に興味を持っていて、やはりこの種牡を使ったことがあるジェーン・ルノーさんと電話で親交を深めていました。彼女は私に、私が使ったことがない(聞いたこともない)あるフードについて教えてくれた際、「自分で調べて、自分自身で考える」ことの大切さをいうことも教えてくれました。そして彼女は、グレートデンのブリーダーのリンダ・アンドさんの名前を教えてくれました。彼女はドッグフードについて詳しい研究をしていて、その犬種に特有の問題を考慮した食餌を与えている人でした。(ブリーダーはみんなそうではないのですかって?私もそうではないと以前は思っていました。)彼らは動物性蛋白質の様々な原料や、穀物原料の重複記載(注2)や微生物のこと等、私がフード会社の人からは聞いたことがないあらゆる成分についてたくさん話してくれました。私の犬達は、その時私がやっていたフードで非常に状態が悪かったので、私はこれ以上迷いようがありませんでした。そして二人とも、ある食餌を私 に勧めてくれて、私は懐疑的でありながらも、やってみる価値があると思いました。そしてしばらくすると、私の犬達の健康状態に驚くほどの変化が表れ、このことは私の好奇心に火を付けました。どうして今までやっていた他の食餌よりも新しい食餌はこんなに良い結果を出すのでしょう?何が違うのでしょう?もし正しい食餌が、目に見える健康上の問題をこれほどまでに癒したり、予防したりする効果を持っているのなら、内面の問題(はっきり見えない問題)も癒しているのではないでしょうか? このような疑問の答えを見出すために、私は犬の食物や食餌について学べるだけ学びました。学び続けている間もずっと、私は長い間興味をそそられていた手作り食をやる方向に向かっていき、そして昨年の11月に私はついに自分の犬達の食餌から最後のドッグフードの粒を取り除きました。とても長い旅でしたし、心奪われる旅だったとも言えます。もちろんすべての答えが得られたわけではありません。それどころか、時がたつにつれ、次から次に疑問が出てくるようでした。 もしあなたも私と同じような経験をしているなら、もし周期的に「ゴールデンに典型的な問題」と闘っているのなら、この私の記事が助けになれば幸いです。私は良い「ゴールデンのフード」を選ぶために私が学んだことをお伝えしたいだけです。すべての犬はそれぞれ違うものですから、私は何の保証もできませんが、もしあなたも私がそうだったように「これ以上迷いようがない」ようでしたら、読んでみてください。 Buyer Beware (買い手は用心すべし) 適切な市販フードを選ぶということは、たいへんなことかもしれません。私は、たくさんの人が、かつて私もそうであったように、いつも今度こそ「完璧」なものであることを願って、次々とドッグフードを切り替えていっているのを見てきました。また私はサプルメントというものもある周期性を持っていると感じています。つまりある一つのサプルメントがある時期「話題」となるとみんながそれを使い、そしてまた別の新製品が出ると人々はそれに群がるのです。これらのことは、すべてのペットフードメーカーが、他社を出し抜いて売上を増やし、そして(最も大事なこととして)それを維持するために用いる、派手な商戦と宣伝テクニックに起因しています。どのメーカーも、自社のフードは最高の原料を使っていて、消化が良く、より良いコートを作ります、等々と述べています。問題はどのメーカーの言うこともみんな良く似ているのに、それぞれのメーカーが売っているフードは違っている(それぞれが「ユニーク」)ようだということです。どのメーカーの言うことを聞きますか?どのメーカーを信じますか? 私がドッグフードについて学んだことで最も重要なことの一つは、ドッグフードは、他の製品(朝食用シリアルやパンスト、風邪薬など)と同じく、「消費する製品」(消耗品)だということです。それ以上でもそれ以下でもありません。それは便利さのために作られたものであり、赤ちゃんは市販のベビーフードで育てる「必要」がある、とは言えないのと同じように、絶対それを食べさせる「必要」がある、というものではないのです。しかし20世紀後半においては、ほとんどのペットオーナーにとって市販のドッグフードは欠くことのできない生活の一部となっています。これまで述べてきたように、犬は何年にも渡って「本物の食べ物」を食べてきたわけですが、人々の市販の便利なフードへの転換はほぼ完全に行なわれており、犬に手作りの食餌を与えるという考えは、ほとんどの人にとって違和感を感じるものとなっています。 ある時点で、ペットフード産業は巨大マーケットを築き上げました。今日、何百万頭もの犬がこの「欠くことのできない」ものを毎日消費しています。つまり、この「ペットフードゲーム」の賞金(利益)はとても大きいということで、それは年間940億ドルにもなっています。問題は、ほとんどのブランドのフードは似たり寄ったりということと、その基本的な組成というのは、ドッグフードが初めて登場した19世紀後半からそれほど変わっていないということです。現在でもドッグフードは基本的に、穀物を主体として、それに動物性蛋白質やその副産物を加えたものです。もちろん最近では違うものも加えられています。例えば添加物としてのビタミンやミネラルとか、便の状態を固くするのに必要な様々な原料由来の食物繊維とかです。しかしそれらは全体の組成のほんの一部分です。 ペットフードメーカーにとってのジレンマは、他社の製品と似たようなものである自社の製品を、いかに他社とは違うように見せて消費者の心を揺さぶり、その製品を選択させるように宣伝するか、ということです。それから、いったん選択させたなら、どうしたら他社の製品に浮気させないでおけるかを考えなくてはいけません。これは簡単なことではありません。なぜならメーカーは消費者が移り気であることを知っているからです。飼い主は愛犬にベストなものをやりたいのです。また、メーカーは消費者の動向を見張りながら、一方で帳尻も見ていかなくてはいけません。製造コストはあまり高くすることはできません。そうするなら、その製品の価格を消費者が快く払う金額よりも高くしないといけなくなってしまいます。また、原料の質をどんどん落としていって製造コストを下げることもできません。そんなことをすると消費者は愛犬の健康状態が悪くなるのを見て、再び他社の製品に切り替えてしまうでしょう。ですからフードメーカーは、消費者が満足し、継続しつづける製品レベルとその製造コストと販売利益をすべて考慮に入れて、妥当な線の上を歩いていかなくてはいけません。ペット フードを売ることはこのように激烈なビジネスであることは間違いありません。 数年前、私が「ドッグフードについての学習」をはじめて間もない頃、私は何度か地元の図書館へ行ってそこのコンピューターに「ペットフード」「ドッグフード」「ドッグフィーディング」というようなキーワードを入力して検索をしました。私は主流を行く科学系や栄養学系の雑誌からたくさんの参考文献が得られるだろうと期待していました。しかし次々とディスプレイ上にリストアップされてくる記事のすべてが"Advertising Age”(広告世代)から引用されたものであるのを見た時の私の驚きを想像してください。ご存知ない方に説明しますが、"Advertising Age" とは広告業界の商人向けの雑誌です。それは、どこの企業がどこの広告代理店を使ったか、ある会社がある製品を売り出すための大々的なキャンペーンをはじめようとしているとか、どこどこの会社が他社のシェアを奪ったとか、そのようなことに常時鋭く焦点を当てている雑誌です。ナイキやバーガーキングス、オールドスパイスのマーケティング戦略といった項目が並ぶ中に、私は「ミルクボーンに噛みつく:ピュリナ社とハインツ社がミルクボーン社のトップシェアの座を奪う」「1200万ドルの噛みつき:ピュリナ社は先日の違法広告裁定を非難する」「犬の喧嘩の味は?:ミルクボーン社がライバルのハインツ社を訴えると脅す」なんてことでしょう!私の犬達の健康を増進することだけを考えていると信じていたペットフード会社に抱いていたイメージ(それは、暖かみがあってかつ曖昧なテレビCMや広告によってじっくり育まれていたものです。)は崩れ去りました。(笑)一夜のうちに、私の「完璧なドッグフードを探す」ことにおける第1の主義は「買い手は用心すべし(Buyer Beware)」となりました。 これによって、私は「スーパープレミアム・ペットフードゲーム」の主要な競技者達が選んだ「特定市場」について詳しく観察するようになりました。「特定市場」とは、ある製品がある特定の市場区分をターゲットにしていると位置付けられている状況です。ドッグフードにおいては、基本的に二つの特定市場があるようです。つまり「ブリーダー向けブランド」と「獣医師向けブランド」です。そして近年は3番目の特定市場として「ホリスティックフード」あるいは「ナチュラルフード」というものが登場して脚光を浴びています。そしてもちろんどの市場にも重複して参加しているブランドもあります。ブリーダー向けブランドも獣医師向けブランドも、「ナチュラル」製品(これは通常、保存料としてビタミンEやビタミンCを用いているフードのことを意味します。)も売り出しています。また、いくつかの長年のブリーダー向けだったメーカーが、今度は獣医師達にも気に入ってもらうよう働きかけています。 ブリーダー向けブランドの良い例が、アイムス社のユカヌバです。何年もの間、アイムス社はブリーダー向け市場の中だけに自らを位置付け、そしてスーパープレミアムペットフード業界において全米で第二位となりました。(一位はヒルズ社)なぜこのマーケティングアプローチは成功したのでしょうか?なぜなら、ブリーダーというのは権威を持つ人々だからです。私達の多くは、パピーを買った時に与えられたアドバイスを思い起こすときに「うちのパピーのブリーダー」が言ったことを語るのではないでしょうか?そして、ブリーダーが口やかましく言うことの一つは、何を食べさせるかということです。アイムス社のプロモーター達は、ブリーダー達の信頼を育んでしまえば、そのマーケットは新しい子犬のオーナー達へと素早く広がっていくことを知っています。 注1 フードを切り替えたときの好転反応? ビリングハースト博士は、彼の著書「Give Your Dog a Bone」の中で、飼い主がドッグフードを切り替えたときにいつも見られる興味深い現象のことに触れています。犬の体は栄養素を貯蔵するので、ある一定期間は、前のフードからの栄養素と新しいフードからの栄養素が重複するというのです。つまり、前のフードがおそらくいくつかの栄養素が不足していて、そのために犬の状態が良くないために飼い主は別のフードに切り替えたとしましょう。新しいフードに変えてみると、あれまあ、1,2週間のうちにそれらの問題が改善しはじめ、犬の状態はとっても良くなりました!しかししばらく(何週間か何ヶ月か)すると、問題はまた生じはじめるのです。何が起こるのかというと、博士が言うには、どちらのフードもなんらかの栄養素が不足しているのだけど、それぞれ別の栄養素が不足しているので、フードを切り替えてしばらくは、犬は体に貯蔵しいている前のフードの栄養素と、前のフードに欠乏していて新しいフードには入っている栄養素の両方を活用することができるのだそうです。私も、市販フードを与えていた時には、まさにこのようなサイクルを経験していました。 注2:穀物原料の重複記載 これは穀物を主原料としたフードを、肉を主原料としたフードに見せるために使われる手法です。 フードのラベルの原材料は、その重量が重い順に記載しなければいけません。しかし例えば、原料の「米」をそのまま「米」と記載せず、醸造米、米粉、米グルテンというように分けると、各々の重量は肉よりも軽くなり、原材料の先頭に「肉」と記載することができ、そのフードは肉を主原料としているかのような印象を与えることができます。同様に、穀類の原料を、米、トウモロコシ、大豆等、複数用いていて、それぞれの原料が単独では肉よりも重量が少なければ、肉が原材料の先頭に来ることになります。 獣医師との関連 華々しいマーケティングの事例研究のためのリサーチをしてみると、断然際立っているのがヒルズ社のサイエンスダイエットです。私は90年代初期のこの会社の戦略の巧さに驚嘆しました。そして私の最近のリサーチによれば、この会社は相変わらず良い成果を上げています。調子が良いのだから、戦略を変えることはないということです。 ヒルズ社は、カンサスにおいて1948年に獣医師であるマーク・モリス氏によって設立されました。モリス氏は、腎臓疾患の犬のための療法食を最初に開発した人です。(Parker-Pope 1997;Schifrin) そして1968年頃、ヒルズ社は療法食ではない「サイエンスダイエット」シリーズを、残飯やスーパーマーケットで売られているフードに代わる、より健康的なフードとして発売しました。その後この会社は経営が変わり、1976年にコルゲート・パルモリブ社に買収されました。その数年後、この会社は、他の非主力部門と一緒に、ヒルズ社を売りに出そうとしましたが、コルゲート社の年長の役員であるルーベン・マーク氏がそれに反対しました。97年の11月にウオールストリートジャーナル誌は、マーク氏が次のように述べたと書いています:「私は、私達が世界規模で行なっている歯磨きペーストの販売戦略において歯科医の保証というものがとても重要だということとの(ドッグフードの販売との)類似点にふと気がつきました。ヒルズ社のフードにも同じことを行なえば、ビッグな世界的ブランドになるだろうと考えました。」そして90年代初期には、ヒルズはコルゲート・パルモリブ社の中で最も収益性の高い部門の一つになったのです。(Schifrin 1991) それで、ウオールストリートジャーナル誌はこう書いています。「歯科大学への根回しと同様に、コルゲート社は、現在全国の獣医大学の約半分の栄養学の教室に資金援助を行なっています。」(Parker-Pope 1997)また、ヒルズ社の社員が現在広く用いられている小動物栄養学の教科書の一つを執筆していますし、それは学生に無料で配布されています。ヒルズ社は、獣医師向けの動物病院経営においてもっと利益を上げるためのセミナーのスポンサーとなり、ベテリナリーテクニシャンのための「公式栄養士免許取得過程」を実施しています。また、同社は、窮乏している獣医大学の学生がわずかな費用で自分の動物に同社のフードを試してみることができるように、年間何トンもの無償のフードを寄付しています。現在この戦略は他のペットフード会社も真似しています。ヒルズ社の販売力は次第に成長し、現在では多くの獣医師を含む約500人のスタッフを抱えています。事実、大学を除けば、ヒルズ社はアメリカの中で最も多くの獣医師を雇用している組織と考えられています。(Parker-Pope 1997) これには、自分の病院やオフィスで、22〜45%の利益率でサイエンスダイエットを売っている個人の開業獣医師は含まれていません。(Schifrin 1991) そして、1997年には、ヒルズ社は米国獣医師会に100万ドルの寄付をすることを大々的にアナウンスしました。(AVMA Web site 1998) コルゲート社の営業販売部門の副会長を最近退職したジョン・スチール氏はこう述べます。「私達の支出のかなりの多くが、獣医界に行きました。」と。同社は今後もこのマーケティングとプロモーションの予算金額は公にしないことでしょう。彼はさらにこう付け加えます。「それはちょうど人間が薬を飲むことに似ています。病院に行って、医者が何らかの薬を処方してもらうとき、医者が言うことにそれほど疑問は持たないでしょう。動物にも同じことが当てはまります。」(Parker-Pope 1997) 人がこの関係図式をどのような見方をしようと、ヒルズ社の人達は、銀行に行くたびに笑いがとまらないようです。他の競合する会社が、年間の広告費に4000万ドルから9000万ドルを費やしているのに対して、ヒルズ社はほんの僅かな金額を使っているだけです。1、2年前は、200万ドル以下でした。その代わりに彼らのマーケティングのための予算のほとんどは獣医界に行き、この戦略によって同社のペットフードの売上は、82年の4000万ドルから、90年には5600万ドル、96年には9000万ドルになりました。(Parker-Pope 1997;Schifrin) ヒルズ社は、多くの飼い主は、かかりつけの獣医師がサイエンスダイエットを売っていれば、これは良いフードに違いないと、深く考えずに思いこむということを知っています。そうです、私もそうだったんですから! ヒルズ社のこの獣医師を通したマーケティングの成功は競合する他社も目を付けました。ラルストン・ピュリナ社は、現在ヒルズ社のPrescription Diet に真っ向から競合する、獣医師用の"therapeutic" ダイエット(療法食)を販売し、数ヶ所の獣医大学で、無料の食餌プログラムを実施しています。また、獣医大学の学生にピュリナのペットフードが大幅割引で買えるクーポン券を配っています。1996年には、ピュリナ社はミズーリ州コロンビア大学の獣医学科の小動物栄養学教室に55万ドルの寄付をしたことを発表しました。(Parker-Pope 1997) さらに、遅れを取るまいと、マース社は広報会社を使って、ここのフードが「獣医師によって開発された」ものであるという事実をアピールするために、イギリスにある同社の「ペットニュートリションリサーチセンター」を宣伝しました。同時に同社の宣伝費の予算を50%アップの5000万ドルに増やしました。(Parker-Pope 1997) 私はこの最初の”目をみはるような”調査をした後は、用心する買い手になったと自分で思います。なぜなら、私は自分の犬達にサイエンスダイエットをやっていたのですが、私の犬達にはまったく合っていなかったからです。実際、今まで与えたフードの中で最も悪かったと言えるでしょう。明らかに、その宣伝は、犬(犬達)がいかにそのフードに良く合うかということとはまったく別の次元のものです。それで私は用心するということを知りました。何に用心するのでしょうか?私にはフードの中に何が入っているかは未だによくわかりませんでしたが、私がフードの宣伝文句をすべて冷ややかに読んでいたのは確かです。 マーケティングコンセプト 何年もの間、私は宣伝文句を聞きながらフード原材料のリストを見て、そのメーカーによって自分は最高のものを犬に与えているのだとにっこり微笑んでうなづいていました。しかし私は、自分は本当は何を読んでいるかということがわかっていませんでした。あるメーカーが、そこのフードは「良くない」穀物や肉、油を原材料から排除しているので、とても良いと主張する一方で、別のメーカーは、それらと同じような原材料は、私の犬達にとって優れた栄養源であると言います。え?どういうことなんでしょう?結局のところ、ある特定の原材料について非難することは、フードを宣伝するときの常套手段であることがわかりました。 別のペットフードのマーケティングコンセプトには、「特別食」(いわゆる、ライフステージ別のフードや療法食」とか「総合食」、「大衆食」(低価格で、様々な味や粒の形がある)、「健康食」または「自然食」(「本物のラム肉」といった特定の原料が入っている)、といった区分や、栄養組成、意味を持った製品名といったものがあります。それらのいくつかは、主にスーパーマーケット向けのブランドと関連したものですが、しかし多くは、前述したブリーダー向けフードや獣医師専用フードにしっかり関連付けられています。私が学んだこと、そして今皆さんに提言したいことは、それらを無視しましょうということです。全部をです。大事なのは、自分の犬がそのフードを食べてどれくらい調子がよいかということなのですが、これらのマーケティングコンセプトはそれを予言するものではまったくありません。 私は、このドッグフードの迷路の抜け道を探すには、自分自身の力で見つけなくてはいけない、ということを知りました。広告に書いてあることや、メーカーの言う宣伝文句がどのようなものであろうと、それに関心を払うべき理由は何もありません。そのようなフィクションから事実を知ることは不可能なのです。私はすでに何年もの間、宣伝文句に基づいて次々とフードを変えてきました。しかし満足する結果に到達することはありませんでした。それで私は原材料リストを比較検討してみようと決心したのです。つまりそれは、本当に「読んで」、いろいろと質問をするということです。 私はまるで衝動に駆られて何でも集めるネズミのようになって、何年にも渡って集めたたくさんのフードのパンフレットを保存していました。持っていないものは、販売者からもらってきました。私はそのとき自分が与えていた「驚くべき」新しいフードの原材料リストを持っていました。また、私はどのフードは自分の犬には良くなくて、どのフードはまあまあだったかということも知っていました。そして私は研究し、読み、比較しました。私は、様々な原材料が、それぞれのフードでどのような位置にあるかを調べるために、長々と書かれている原材料リストから、各原材料を紙に書き出し、それぞれに番号をつけるということもしました。それによって、ビタミンやミネラルが、「本物の」原材料に含まれているものではなくて後から添加しているものがほとんどであると思われるフードはどれか、ということもわかりました。ゆっくりと目の前が明るくなってきました。この新しいフードと他のフードの一番の違いは、動物性蛋白質の原料の数、その形態、そして原材料リストにおけるその位置のようでした。おお、私は何かをつかみかけているのかもしれません。原材料リストから得られるわずかな 情報によってわかった限りでは、私が思うに、この新しいフードをユニークなものにし、良いフードを役立つものにし、劣悪なフードを使う価値のないものにしているのは、用いられている動物性蛋白質のようです。私が気がついたもう一つの点は、いくつかのフードは、何種類かの違った穀類を使っており、またいくつかのフードは、1種類の穀類をいくつかの違った形態にして用いているようだ、ということです。私はその時はこれが意味することがわかりませんでしたが、何か大事な意味があるということは確かだと思いました。 時がたつにつれ、私は自分は的を得たことをしているということがわかってきました。他の人々も、数々の良いフードとはどれも同じように良いというわけではないということを知っていましたが、それはつまり自分の犬にとって良い一つの市販フードを首尾良く探し出すために求めうる事柄は、いくつもあるということです。 やがて私は、私が考えるところの「ゴールデンにとってフレンドリーなフード」のチェックリストのようなものを作りました。それはすなわち、そのフードがゴールデンの健康を保つのに良いフードであることを強く示唆しうる原材料リストの特徴というべきものです。もちろん何の保証もありません。すべての犬には個体差があるということを常に忘れてはいけません。「すべての」ゴールデンにとってパーフェクトなフードというものはありません。(フード会社はそう信じさせるかもしれませんが)では、これ以上つべこべ言わずに本題に入りましょう。 「ゴールデンにフレンドリーなフード」のガイドライン 同じメーカーのフードでも、高蛋白質フードと低蛋白質フードがあります。低蛋白フードは動物性蛋白質が少なく、穀類が多くなっています。これはある意味で悪いことではありません。つまりある犬達にとっては重要な機能を果たすからです。また、すべての犬が蛋白30%のフードを必要とする(あるいは与えるべき)ではありません。しかし各メーカーの最高の製品である高蛋白質(25〜30%)フードを選ぶ際には以下のようなことを見るということを私は学びました。 1.原材料リストの先頭に来るものは畜肉ミール(meat meal:ビーフ、ラム、ポーク)または家禽ミール(poultry meal:チキン、ターキー)であるべきです。(訳注:ミールとは、生肉ではなく、肉を乾燥させて粉状にしたものだと思われます。しかし日本語表記では、例えばチキンもチキンミールもどちらも「鶏肉」と訳してしまう場合もあるようです。「鶏副産物粉」「魚粉」というふうに書かれることもあります。英語表記で確認するほうがよいでしょう)これは非常に重要です。多くのフードは、その原材料リストの1番目は「本物の」(real)ラム肉あるいは「本物の」チキン、あるいは他の「本物の」何かであると「自慢」します。リストをチェックすると、単に「ラム」とか「チキン」とか書かれているかもしれませんし、あるいは「ラム肉(lamb meat)」と書かれているかもしれません。とても印象的に感じますね。でももう一度考えてみてください。「本物の」肉というのは70%が水分です。私達は原材料のリストは、使われている重量の重い順番に書かれていなくてはいけないということを知っています。ですから、「本物の」肉は、フード製造時点で生肉に含まれる水分の重さによって、リストの一番先に来るわけです。しかし水は蛋白質ではなく、ただの水であり、粒状のフードになる過程で蒸発していまいます。それで、乾物量(水分を除いた重量)を基準にするなら、「本物の」肉はリストのもっと下のほうに位置します。その中の僅かな蛋白質は、そのフードの中の「最も重い」原料ではありません。リストの一番最初に「生の」あるいは「本物の」肉と書かれているフードのほとんどは穀類をベースとしたフードであり、動物性蛋白質をベースとしたフードではありません。 もちろん、ミールにも罠があります。それらはフードの粒の「生地」に練りこまれるときには、僅かな水分しか含んでいません。水分はその前の調理過程で蒸発しているのです。ですから家禽ミールは実際には2回加熱されているわけで、フードになるまでに一回しか加熱されていない「本物の」肉と比べて、栄養素の損失は大きいでしょう。しかし私の考えでは、原材料リストの一番先にミールという語があるものはとても重要だと思います。それは、あなたの与えているそのフードの蛋白質はかなりの割合で動物組織由来のものであり、植物由来ではないということの保証を与えるものなのです。そして、(少なくとも私の経験では)私達のゴールデンがなりやすい「アレルギー」を防ぐためにも重要なようです。(このことにつきましては別の記事で書きたいと思います。) 2.リストの最初の4つのうちの2つが畜肉ミールか家禽ミールであるものを探しましょう。低蛋白フード(20〜24%)であるなら、リストの最初の5つか6つのうちの2つがそうであるものがいいでしょう。私は個人的には、蛋白質が20%以下のフードは使いません。そして私は、1年のうちのある時期には、20%でも健康な皮膚のためには十分ではないということを知りました。 3.少なくとも2つ、できれば3つの異なった動物性蛋白質(卵は数えない)を含んだものを探しましょう。(例えば、ラム、チキン、魚というふうに)「チキン、チキンミール、チキン副産物」といった材料名が一つのフードの材料名の中にかかれていることはよくあることです。しかしこれらは結局はすべて鶏です。材料のバラエティは良いフードを探す上で私にとって重要なことでした。私の経験では、ゴールデンはバラエティに富んだアミノ酸(訳注:蛋白質は分解されるとアミノ酸になる)の原料を必要とし、そしてそれらは動物性蛋白質由来のものであることが重要であるのです。また、私達人間にとってもバラエティに富んだ食材が良いことであるなら、犬にとっても同じじゃないでしょうか?犬には一生涯「固定された」原材料による食餌を食べさせなくてはいけないという科学的根拠はありますか?私はそのような根拠は一つも見出せませんでしたし、私のかかりつけの獣医師も、固定された原材料はアレルギーの主要な原因のように思えると述べていました。 4.通常の副産物(by-products)を含まないものを探しましょう。通常のですか?ええ、そうです。良い副産物というのもあるのです。私はそれをBARFダイエットの1部分として犬達に与えていました。メーカーに電話をして尋ねてみることをお勧めします。そこで使われている副産物とは、心臓や肝臓、腎臓といった良いものだけが含まれているのですか?あるいは、その他の爪とか角とか頭というものが入っていますか?と。 5.絶対に大豆を用いていないものを探しましょう。大豆を使っているフード会社はあらゆる手法で、豆をドッグフードに使うことが科学的に正当であるように思わせます。残念ですが、私はそのようなフードを買いません。(犬達は大豆を消化することができませんし)私達は犬に餌を与えているのです。牛にやっているのではありません。大豆は牛のためにとっておきましょうよ。 6.穀類の記載に注意してください。例えば、「玄米、米グルテン、米粉」といったものです。非常に多くのプレミアムフードがこの小さな「欺き」を使っているのです。企業内では「分割」(splitting)として知られています。つまり、一つの原材料(この場合は米)を用いる際に、いくつかの組成部分に分けた状態で混入し、それぞれの部分の重さを軽くして、動物性蛋白質がリストの一番上に「人為的」上がるようにするのです。こうやって消費者を欺き、実際は僅かな肉が入っているだけの穀物ベースのフードなのに、肉をベースとしたフードのように思わせるわけです。 私は、「すべての」ドッグフードの中の穀類の量には大きな問題があると思っていますが、これはドッグフードを使っている人にとって毅然たる事実なのです。それで、コーン、小麦、米、といった何種類もの穀類を使っているものを探してください。異なった種類の穀類はそれぞれ異なった栄養組成を提供します。再び言いますが、食材はバラエティに富んでいるほうがいいのです。 7.私は常に、酸化防止にビタミンCとEを用いているフードを好みます。しかし私は何年にも渡って(フードメーカーの人から直接)この方法では高蛋白、高脂肪のフードを保存するのは「非常に」難しい(もしくは不可能)と聞かされています。それならば、これ以上論じる余地はないようなのですが、面白いことに、今では多くのメーカーが、そのすべての製品を(高蛋白、高脂肪の製品ですら)、ビタミンCとEによる保存に切り替えているのです。じゃあ、どうやってそれができたんでしょう?何らかの新しい技術によって「ナチュラルな」保存が可能になったのでしょうか?そう願いたいものです。私は、これらのフードの多くが依然として化学保存料を用いている、という話はかなり疑わしいと思います。しかし、メーカーが原料を買う前に、原料を調達する下請け業者がその原料に化学薬品を添加しているという場合は別です。この方法ならば、ラベル表記に関する法律では、メーカーはラベルにBHAやBHT、エトキシキン等の人工保存料の使用の表記はしなくてよいのです。なぜならメーカーでは添加していないのですから。しかしフードの中には含まれているのです。私のことを皮肉屋 だと思ってくださって結構ですが、しかし私は今まで、高蛋白、高脂肪のフードは、安全のためには化学的に保存しなくてはいけないと何度も聞かされてきたので、最近の市場が、みんな「ナチュラル」な保存による製品に移行していることにとても懐疑的になってしまうのです。 とにかく、保存料の問題は、そのフードの他の良い点を取るために、もっとも妥協しなくてはいけなくなる部分でしょう。私は、あまりに多くの人が、化学薬品で保存しているけれどもとても優れたフードを敬遠して、単にビタミンCとEで保存してあるからという理由で穀類ベースのフードを選んでいることにいつも驚いています。そしてそのような人達は、ほとんど効果が見られないのに愛犬の「アレルギー」を治そうとして獣医にたくさんのお金を払っています。 8.吸収が良くなるように「キレート化」(sequestered または chelated )されたビタミンとミネラルを含んでいるものを探しましょう。 9.実際の「食べ物」が原材料リストの中にできるだけ多く書かれているものを探しましょう。それはそのメーカーが、栄養の大部分は本物の食材に由来するような作り方をしていて、単に後から合成されたビタミンやミネラルを添加しているだけではない、ということを示すものです。 私はこのことは、多くの人が支持している「できるだけリストの中の原材料の数が少ないものを選ぶ」というルールに反したものであることを知っています。しかし私はこのルールの論理的根拠を見たことがありません。私は、ほんの限られた原材料からなる排他的な食餌は、まっさきにアレルギーの原因になると信じています。ある少ない原材料のフードから、また同様な別の製品へと切り替えていくときに必ずアレルギー症状が生じ、そしてそれがやがて、犬が耐えれないほどにひどくなっていくように私は感じています。 10.砂糖を含んでいないものを探しましょう。それはつまり、語尾に"oses" が付くもの、サッカロース、フラクトースなどは全く入っていないということです。それらは栄養的に有益性はありませんし、その犬の炭水化物に対する対応力にもよりますが、健康上の大きな問題の原因となることも多いようです。 11.「微生物」(乳酸菌など:probiotics) を含むものを探しましょう。これらはとても良く消化を助けます。実際、多くのブリーダーは鼓張症を予防する(そう願って)ためにこれにとても頼っています。私が思うに、これらのものが原材料リストに入っているということは、そのメーカーは良質の製品を作ろうと努力している証拠です。微生物を添加するためには、製造過程で特別なステップを必要とします。熱で菌が死なないように、フードの粒が冷めた後で、それらをスプレーして振りかけなくてはいけません。このような微生物は通常は次のような名前でリストに載っているはずです:Aspergillus oryzae,Baccillus subtilus,Streptcoccus faecium,Lactbacillus acidophilus,等。そして、溶解発酵(fermentation solubles) の形で用いられています。 もし、今使っているフードについて疑問があるなら、そのフード会社に電話して尋ねてみてください。しかしその回答は注意深く聞いてください。メーカーはあなたが聞きたいことをとてもとても上手に言いますから、その営業的態度から事実を見極めることはとても難しいということを私は知りました。尋ねるべき重要な質問の一つは、そのフードに使われている肉や肉副産物の原料についてです。4−D(dead:死んだ、deseased:病気の、dying:死にかかった、disabled:使用不可)の肉は使っていないでしょうか?たぶん「いいえ」と答えるでしょう。しかしこのような答えであるなら疑ったほうがいでしょう。「私達が使っている肉のすべてはUSDA(米国農務省)検査済みのものです。」これって良いことのように思えますよね?実はそうではないんです。ではそこで使っている肉はすべて、USDAの検査を「合格したもの」、つまり人間が食べるのに適しているものかどうかを尋ねてみてください。 ウエンディ・ヴォルハードさんは、「市販のフードを与えることは常に妥協しながらの演習といえます。」と述べていますが、おそらく彼女の言っていることは正しいでしょう。あなたはおそらく、これらそれぞれの要求をすべて満たすフードというものは見つけられないことでしょう。私も見つけたことがありません。皮膚病に多く悩まされている犬のための私の提言は、動物性蛋白質についてのガイドラインに良く注意を払うということです。動物性蛋白質が原材料リストの上のほうにあるほどよいのです。 食餌以外の提言 アレルギーと市販フードの関係について少し述べましたので、愛犬がかなりこの問題に悩まされていて、甲状腺機能低下症の検査をしてもらおうと考えている飼い主のための提言を書いておきたいと思います。そのような状態はゴールデンにはとても多いのですが、もし甲状腺機能が低下しているなら、食餌の切り替えはどんなものであろうと、皮膚の問題を解決することはありません。甲状腺機能低下症は、繁殖障害にも関連しています。甲状腺は体の「かなめの腺」として、ほとんどすべての新陳代謝に役割を果たしています。甲状腺機能低下症を患う人の話を聞くと、その病気が見つかって治療を受ける前は信じられないくらいひどい状態だったと言います。 ミシガン州立大学は現在でも犬の甲状腺の検査に関しては国内の最前線です。ですから、かかりつけの獣医師にミシガン大学で検査分析を行なってもらうよう頼んでみられることを提言したいと思います。それは比較的安価な検査ですし、もしあなたの犬の甲状腺の機能レベルが低いなら、薬を処方してもらえるでしょう。しかしその投与量は時々再検討するべきです。 秘密の事柄 ここまで、私は、自分が切り替えた「驚くべき」フードの名前を明らかにすることは避けてきました。しかし私はネット上で何回も言ったので、多くの人はそのフードが何であるかすでにご存知だと思います。でも、最も重要なことは、皆さんがフードの原材料リストの読み方を自分自身で学んでくださるということであり、単に「私が言ったから」といって私が使ったフードを使ってもらうということではありません。「自分で考える」ということを忘れないでください。絶えずたくさんの新しいフードが市場に登場しています。他人に頼るのではなく自分で評価できるようになる必要があるのです。それが業界のマーケティング戦術に対する唯一の防衛策です。 ではすべて言いましょう(郵便、電話、メールでの問い合わせが殺到することを避けるために)。私の犬達にとって大きな違いをもたらしたフード、それは「イーグルパック(Eagle Pack)」でした。もし今後私がなんらかの理由でBARFダイエットを続けることができなくなったとしたら、私は以下のフードに戻るでしょう。すなわち、「イーグルナチュラルパック」と「ケネルパック」、そしてあと二つ、「イノバ」と「フレッシュフローズン・ビルジャック」です。また、それらにサプルメント(私は手作り食に切りかえる前は2年間サプルメントを使っていました。)と生の食物、特に野菜を加えるでしょう。 これでおわかりになったと思います。もしあなたの愛犬が、一般的に「ゴールデンに典型的なもの」と考えられている問題に悩まされているなら、カラフルな誇大宣伝のパンフレットは無視して、原材料リストを読むことをはじめてください。それらを評価の仕方を学ぶことが、あなたのゴールデンに最適な健康状態を求める上での最も重要なステップなのです。 もう1冊の参考書籍 この章を終えるにあたり、私は、「愛犬に骨を与えましょう」(前の章で紹介した「4大書」の中の一つ)の著者のイアン・ビリングハースト氏が2冊目の本を出版されたことをお伝えしたいと思います。その本は 「Grow Your Pups with Bones」(あなたのパピーに骨をあげて育てましょう)という題で、特に「ブリーディングのための食餌」について解説しています。(1998年出版)種牡や台牝、そして子犬が必要とする栄養について、すべてBARFダイエットの方法で、詳しく解説しています。また、近代の犬に見られる整形外科的問題(訳注:股関節形成不全や骨軟骨症等)と、それらの問題と、彼の言うところの「直接的」および「間接的」遺伝子、そして加工された市販フードとの関係についての長くて素晴らしい議論が書かれています。前述の本と同様に、この本もダイレクトブックサービス (http://www.dogandcatbooks.com)で購入することができます。この本には何ヶ所か「愛犬に骨を与えましょう」の本のいろいろな章を参照すべきところがあります。 |
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